LinkedIn と Joi Labs と 慶應義塾大学國領研究室の合同プロジェクトとして行っている、 "Business Success in Open Networks" の第4弾映像を公開しました。
早速映像をご覧ください。
前半
Episode2(新生銀行の八城政基様)
Episode3(マネックスの松本大様)
そして今回Episode4 では、Joiと國領先生をホストに、弁護士の牧野二郎先生にお話を伺いました。牧野先生、貴重なお話をありがとうございました!
早速映像をご覧ください。
前半
後半
●内部通報を行うと裏切り者としていられなくなる?
現在、牧野先生はコンプライアンスや透明性の向上について、取り組んでおられる。勇気ある個人が内部通報として声を上げることで、問題が解決に向かう。アメリカだとFBIの内部通報者はTIMEの表紙を飾ったりするが、日本だと逆で「臭い物にふたをしろ」ということになっているのではないか。ある日本の内部通報者は、Joiのブログに掲載してほしいと通報してきた。自分が内部通報者だとばれるとまずく、官僚もマスコミも信用できないからだという。ただし、昔ほどひどい「裏切り者」扱いではなくなってきた。
●コンプライアンスは書類づくりがいっぱいで無駄が多い?
「働きやすく」するためではなく、金融庁や税務署のためのコンプライアンスになっている。個人情報保護のために名刺を捨てたりPCのデータを消したりして結果的に事業活動が低迷してしまう。書類を作る理由も考えずにガイドラインに従うだけではいけない。効率よく業務を行いつつ、利益も追求しつつ、コンプライアンスも守るべき。
●オープンにすることのベネフィット
品質がよい商品、きちんとコントロールされたプロセスをオープンにすれば少し高くても競争力を持って売れる。
ダスキンの事例→肉まんじゅうに食品衛生法違反の物が入っていたが、きちんと監督されていたので免責された。ただし、薬品が入っていることをもみけしたら損害賠償ということになる。オープンにすることが信頼を産む。企業の隠蔽体質を払拭し、透明性のある経営を、経営者が行うべき。「犯人は誰だ?」という犯人探しを日本人は好むが、それよりも原因を明らかにし、再発防止をすることの方が重要。
携帯電話や自動車等は、ソフトのバグがどんどん産まれ、同じような事故が起きる。よって、自前主義で作るのではなく、基本的なパーツ/OSを統一し、共通基盤を作ってバグだしを全員で行い、アプリは各社で考えるという動きがでてきており、経営者の考え方も変わってきた。ただし、人材の流動化は進んでいない。人については囲い込みが行われている。
●ジャーナリズムの低下
ジャーナリストは企業や政府をきちんと批判すべき。サブプライムの件でも、購買能力のない人に購買能力があるように審査を通すということが行われているのを、メディアはわかっていたはずであり、もっと早く切り込むべきだった。メディアの意義は大きく、ジャーナリストが命がけで情報を取りにいき、その情報を広めるためのシステムは重要。ブロガーが切り込む記事を書けない理由は訴えられてしまうからというのが大きく、ジャーナリストは金銭的/法律的なバックがないと切り込むのが難しい。だからこそ「プロはプロらしく」切り込むべきところに切り込むべき。
●匿名文化について
匿名はメリット/デメリットがある。やさしい文化である反面、攻撃する際に匿名をたてに取るのは卑怯だと思う。匿名の内部通報は目的が正しいということが重要。
実名でないと言えないこともあり、重要なことほどリスクが高い。ジンバブエやイランではブロガーが殺されたり逮捕されて拷問されることもある。
技術面/制度面を両方考えるべき。技術面では、厳密な匿名性を防ぐのは技術的に不可能。今の世界では個人情報はどんどん出て行ってしまっている。制度面では、弁護士を始めとする代理人を通すことで匿名性を残すことができる。
プライバシーについては、公人に近い人は情報をオープンにして自分で公開することがリスクマネジメントになる。企業も、間違いをきちんと公開し、透明性を高めることが重要。権力を持っている人ほど透明/オープンにすべき。普通の人は情報開示については情報開示を気をつける必要がある。
●情報を開示することのメリット
ビジネスの場で、個人名でのスキル/経験/トラブル経験と解決体験を求められるケースが増えてきた。アウトソーシングをする際や弁護士に依頼する際、品質保持のためにも、個人のスキルを評価して、スキルがある人は選ばれる。つまりスキル/経験がある人はその情報をもって仕事が得られるようになるのでは。
●ジャーナリズムの役割
役所や企業に対してジャーナリストは命がけで情報をとりに行き、叩くべきところは叩くべき。企業側も昔は黙っていればよかったが、今は問題はバレるので、透明性は重要になってきている。
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